📮KURUME LETTER
医学部看護学科の学生が小学生と高校生に健康教育を実施
医学部看護学科のボランティアサークル「Lepeef(レピーフ)」は、中高生を対象に同世代の大学生が「性についての正しい知識」や「生命の大切さ」について、一緒に学び考える「ピア・エデュケーション」を通して、思春期の性の問題に対する教育活動を実施しています。1998年から活動を開始し、今年で27年目を迎えました。地域の学校から依頼を受けて、学生たちが主体となりテーマや内容を企画検討し取り組んでいます。
レピーフの授業は、ロールプレイが好評です。ロールプレイとは「役割演技」のことで、場面や状況を想定して複数の人が役割を演じ、擬似体験を通して実際に起こった時に適切に対処できるようにするための学習方法です。テーマに合わせて毎回シナリオを作り実施しています。
今回は、2024年3月に行われた2つのレピーフ活動について紹介します。
小学6年生への健康教育
3月12日、久留米市立津福小学校で、2日後に卒業を迎える6年生114名を対象に「なりたい自分になるために~心と体を大切に~」をテーマに健康教育を実施しました。これから中学生になる子どもたちに、身近に潜む危険性について話し、将来のことを考えるきっかけをつくり、今大切にすべきこと、大切にすべき人が分かることを目標に内容を企画しました。
この日のロールプレイは、6年生の仲良し4人組の内一人の女の子が、SNSで知り合った高校生と名乗る男性と会おうとしている設定で、保健室の先生への相談を通して4人がSNSやデートDVなど身近に潜む危険性について知り、今大切なことは何かについて学んでいく内容でした。実際にスマホでSNSを利用している小学生もいて、真剣に話を聞く姿が見られました。
参加した小学生は「劇が面白かった」「スライドを使って説明があったので分かりやすかった」「何かあったら親に相談して騙されないように注意したい」と感想を述べました。
また、津福小養護教諭の久米祐佳さんは「子どもたちに伝えたいことや皆さんの思いが伝わるとてもいい授業だった。卒業に向けて良いはなむけになった。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べられました。久米さんは、本学医学部看護学科の卒業生で元レピーフメンバーです。後輩たちに「当時と変わらない部分もあって懐かしかった。内容は時代に応じたレベルの高いものになっていて素晴らしかった。今後もぜひ活動を続けてもらいたい」とエールを送られました。
高校生への健康教育
3月15日、三井中央高等学校で、1年生と2年生の女子生徒190名を対象に「自分の心と体を大切に〜それは本当の情報?本当の気持ち?」をテーマに健康教育を実施しました。心身ともに大きな変化の時期にある高校生が、人に流されず自分の意見を持つことの大切さやお付き合いをする上で重要なことを理解し、妊娠等に対する正しい知識を得た上で心と体を守る行動ができるようになることを目標に内容を企画しました。
この日のロールプレイは、恋愛について話をしている女子学生4人の内一人が恋愛経験がないことに焦りを感じている場面と、お付き合いをしているカップルの彼氏が「親がいないので家に来ない?」と彼女を誘う場面があり、保健室の先生とそこに来室した助産師への相談を通して、お付き合いをする上で重要なことや、妊娠・避妊・中絶に関して正しい知識を学んでいく内容でした。
津福小でリーダーを務めた川越晴夏(看護学科2年)さんは「進行の際、子どもたちの反応を見ながら間を取ったり、ゆっくり説明をしたりすることに気を付けた。ロールプレイを真剣に見て、しっかり考えてくれたのが分かり嬉しかった」と話し、三井中央高校でリーダーを務めた山口海優さん(看護学科2年)さんは「高校生が積極的に発言をして『性のことについて考えることができてよかった』と言ってくれてよかった。伝えたいという思いを込めて、問いかけるように気持ちを込めて進行できた」と話しました。
来年度からは、個別の依頼に加え、久留米市の男女平等推進センターと共に「看護学生と学ぶ性の健康教育」を開始し、活動の場を増やしていく予定です。活動の依頼やお問い合わせは下記までご連絡ください。
お問い合わせ
久留米大学医学部看護学科
TEL:0942ー31−7714(担当教員:田中佳代、加藤陽子)
E-mail:m2a2k2i2@med.kurume-u.ac.jp