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学生サークルteam.csvが鹿児島県長島町のSTEAM教育事業に参画し子ども向けプログラミング講座を開催【商学部】
🙌課外活動

学生サークルteam.csvが鹿児島県長島町のSTEAM教育事業に参画し子ども向けプログラミング講座を開催【商学部】

商学部学生有志によるボランティアサークルteam.csv*は、2024年2月12日、鹿児島県長島町で子ども向けSTEAM教育※イベント「プログラミング講座」を開催しました。

今回の講座は、長島町の小中学生向けSTEAM教育事業の公募にteam.csvの活動コンテンツが採択され、久留米大学と長島町の間でSTEAM教育に関する事業契約が結ばれたことにより実現した企画です。(関連記事:長島町での学生の講演

*「team.csv」の由来は「Computer Scienceを活用したVolunteerを行うTeam」で、商学部商学科の木下和也教授指導のもと、学生が主体となりICTを活用した地域の課題解決やICT教育イベントなどを全国的に行っています。

*STEAM教育とは、科学・技術・工学・芸術・数学の英語の頭文字を取った言葉で、これら5つの領域を対象とした分野横断的な教育理念のことを指します。

開催前日の準備の様子

今回の講座は、学生たちがこれまで実施してきたコンテンツに改良を重ね、より洗練されたものに仕上げました。また、当日の講座運営を完璧にするため、前日に久留米市から鹿児島県長島町まで必要な機材を搬入し、会場設営やリハーサルを行うなど、これまで以上に大掛かりなイベント準備となりました。

前日準備(ドローンのフライトエリア)
前日準備(ドローンのフライトエリア)
前日準備(照明の調整)
前日準備(照明の調整)

当日の様子

当日は、学生たちが3種類のプログラミング(①ドローンによる3次元空間を理解するプログラミング②マイクロビットを活用した押しボタン式信号機のパターンを再現するプログラミング③JavaScriptを使用したサイコロの再現プログラミング)を担当し、長島町の子どもたちは3つのグループに分かれて1時間ごとにローテーションしながら3講座を体験しました。

ドローンによる3次元空間を理解するプログラミング

ドローン・プログラミングの講座では、子どもたちにドローンを使用して「プラスとマイナスの数値と3次元空間の座標をイメージできるようにプログラムすること」を学んでもらいました。

「ドローンがスタートした後、2か所に設置されたフラフープの中心を通過して、元の場所に戻ってくる」という単純なルールですが、X,Y,Zの三軸で位置を考え、前後左右上下をプラスとマイナスで捉えなければならないため、空間座標と進行方向を想像してプログラムを完成させる必要があります。

子どもたちは、「イメージ通りに飛ぶかどうか?」と緊張した様子でドローンを見守り、うまくゴールできた時には会場全体に拍手が沸き上がりました。

ドローンの位置を3次元座標で考えます
ドローンの位置を3次元座標で考えます
プログラム通りに飛行するドローン
プログラム通りに飛行するドローン
3次元座標を理解してドローンをプログラミング
3次元座標を理解してドローンをプログラミング

マイクロビットを活用した押しボタン式信号機のパターンを再現するプログラミング

優れたプログラミング教材として世界的に普及しているシングルボード・コンピュータ「マイクロビット(micro:bit)」の講座では、子どもたちが学生と一緒に「押しボタン信号機の動作を再現するプログラム」を作成しました。このプログラムは、中学校の技術の教科書にも例題として取り上げられているものです。

私たちの身近にある信号機も、パターンに従って動いています。そのパターンをプログラムとして組み立てていく過程を皆で考えながら、アルゴリズムという概念を理解してもらいました。

LEDを点滅させることから学びます
LEDを点滅させることから学びます
学生たちが丁寧にサポート
学生たちが丁寧にサポート
マイクロビットで押しボタン式信号機をプログラミング
マイクロビットで押しボタン式信号機をプログラミング

JavaScriptを使用したサイコロの再現プログラミング

プログラミング言語の「JavaScript」を使用したサイコロの再現プログラムの講座では、小学校の算数の知識を活用しました。

コンピュータが生成する0以上1未満の小数点以下の数を含む乱数を、1から6の整数に変換する方法を順序立てて考えていきました。

同時に、プログラミング言語と人間の言語の構造の違いを考えていく内容にもなっていて、子どもたちは初めて触れるプログラミング言語に興味津々の様子で楽しんで取り組んでくれました。

初めて触れるプログラミング言語
初めて触れるプログラミング言語
サイコロの特徴を算数の知識に置き換える
サイコロの特徴を算数の知識に置き換える
JavaScriptでサイコロの特徴をプログラミング
JavaScriptでサイコロの特徴をプログラミング

今回の3つのプログラミング講座は、コーディングを目的としたものではなく、「順次」「反復」「分岐」といったプログラミングに必要な考え方の組み合わせによって、プログラミング的思考(Computational thinking)を、体験的に学ぶことを狙いとしています。

また、学校の授業で学んだ算数などの知識を活用することで、子どもたちの授業への関心を高められるように工夫されたプログラムとなっています。

今回の講座では、文部科学省が小学校のプログラミング教育導入において求めている論理的思考の一つである「プログラミング的思考を育むこと」を意図していて、それぞれ特徴の異なる3つのコンテンツをすべて体験することで、総合的な理解ができるように構成しました。

最後に全員で記念撮影
最後に全員で記念撮影

team.csvでは今後、今回のような算数・数学に関する要素のプログラミングだけでなく、理科や人間の感性を取り込んだ分野を交えながら、STEAM教育を意識したイベントを企画していきます。