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学生サークルteam.csvが小郡市・希みが丘地区で回覧板のデジタル化を支援【商学部】
🙌課外活動

学生サークルteam.csvが小郡市・希みが丘地区で回覧板のデジタル化を支援【商学部】

商学部学生有志によるボランティアサークルteam.csv*は、2022年から小郡市希みが丘地区の「回覧板デジタル化プロジェクト」に参画し、約2年間を通して地域の回覧板のデジタル化を浸透させる活動に取り組んできました。

 *「team.csv」の由来は「Computer Scienceを活用したVolunteerを行うTeam」で、商学部商学科の木下和也教授指導のもと、学生が主体となりICTを活用した地域の課題解決やICT教育イベントなどを全国的に行っています。

希みが丘地区との懇談会 ― プロジェクト説明 ―

2024年3月4日、御井キャンパスの地域連携センターで、希みが丘地区の区長山田徳重さんと副区長川野邦彦さんのお二人との懇談会が行われ、お二人が商学部長や地域連携センター事務室長、team.csvの学生たちに向けてプロジェクトの説明や運営方法などについて話されました。

区長よりプロジェクトの全容説明
区長よりプロジェクトの全容説明
副区長より電子回覧板の運営方法について
副区長より電子回覧板の運営方法について

お二人は、これまで2年間をかけてCORAL(小郡市で地域の課題解決に取り組んでいるコミュニティ)のメンバーやteam.csvの学生たちと共同で、同地区の回覧板のデジタル化に取り組んでこられました。

当日は、お二人が商学部長や地域連携センター事務室長からの質問に、一つ一つ丁寧に答えられ、同席したteam.csvの学生たちも当時の様子を交えてコメントするなど、終始和やかな雰囲気の懇談会となりました。

希みが丘区長と副区長による電子回覧板プロジェクトの説明
希みが丘区長と副区長による電子回覧板プロジェクトの説明

今回のプロジェクトは、希みが丘地区の方々が学生たちを温かく迎え入れてくださったことによって実現した企画です。学生たちは「私たちが活動できているのは地域の理解や協力があるからこそ」と、あらためて感じたようです。

希みが丘地区 回覧板デジタル化構想 ― 2022年~ ―

希みが丘地区の「回覧板デジタル化構想」は、高齢化が進む住宅地において数年前から重要視されていましたが、「まずは住民の賛同を得る必要がある」という理由から具体的なプロジェクトとしては動いていない状態でした。

2022年初めにデジタル化する回覧板を「電子回覧板」と称して、希みが丘地区のお二人をリーダーにCORALとteam.csvの学生たちがその普及へのロードマップを策定することになりました。そして2022年春以降には通信アプリLINEを活用した回覧板のデジタル化に向けた具体的な活動が始まりました。

企画会議の様子(2022年夏)
企画会議の様子(2022年夏)
企画会議の様子(2022年冬)
企画会議の様子(2022年冬)

新型コロナ感染症対策でさまざまな制約がある中、みんなで知恵を出し合いプロジェクトを進めましたが、学生たちは高齢者を対象としたLINE活用講座(2022年)を実施し、講座の企画や教材作成を担当しました。(※関連記事

講座開催の呼び掛けや手続き、地域との調整についてはCORALのメンバーが担当し、それぞれの得意分野を生かし協働しながら、地域の課題解決に取り組んできました。

2022年の企画会議の様子(自治会、CORAL、team.csvの学生)
2022年の企画会議の様子(自治会、CORAL、team.csvの学生)

電子回覧板が本格的に稼働した2023年の夏には、さらなる利用者拡大を目指して第2回目のLINE活用講座(2023)を「スマートフォン講座」の名称で実施し、現在では電子回覧板は軌道に乗り、希みが丘地区のインフラとして機能しています。

スマートフォン講座 ― 2023年 ―

2023年8月19日には、高齢者向けのスマートフォン講座を実施し、90歳を超える方も参加されました。講座では、高齢者でも電子回覧板を使えるようにすることを目的に、学生たちがスマートフォンやLINEの基本操作、オープンチャット機能を利用した電子回覧板の仕組みや操作方法を丁寧にレクチャーしました。

まずは電子回覧板の外観を説明
まずは電子回覧板の外観を説明
実習では、講師役とサポート役が連携
実習では、講師役とサポート役が連携
学生によるレクチャーの様子
学生によるレクチャーの様子

大きなスクリーンでの全体向けの説明だけではなく、学生たちが参加者を不安にさせないように気を配りながら、「楽しい」と感じてもらうこと、「自分にもできる」という自信を持ってもらうことを大切にしながら、参加者に寄り添ったサポートを行いました。

優しく丁寧にサポートします
優しく丁寧にサポートします
分かるまで何度でも寄り添って教えます
分かるまで何度でも寄り添って教えます
参加者それぞれの質問に丁寧に対応する学生たち
参加者それぞれの質問に丁寧に対応する学生たち

講座の後半では、学生たちがよりスマートフォンに親しんでもらうためのコンテンツを準備しました。360度カメラを利用して会場全体を撮影し、その写真を実習用に作ったオープンチャットで配信することで参加者にVR体験をしてもらいました。

また、QRコードを使った塗り絵を完成させ、参加者がそのQRコードにスマートフォンからアクセスすると先ほど360度カメラで撮影した写真が俯瞰画像として表示されるというゲーム性のある実習にも取り組んでもらいました。

このように学生たちのアイデアが詰め込まれた講座内容によって、参加者はスマートフォンの機能に驚きながらも、興味を持って取り組んでくれました。

最後に、区長からの電子回覧板の普及がもたらすメリットについての説明があり、講座は好評のうちに終了しました。

QRコード塗り絵の様子
QRコード塗り絵の様子
区長より電子回覧板のメリットを説明
区長より電子回覧板のメリットを説明
QRコードを読み取ると画面に表示される俯瞰画像
QRコードを読み取ると画面に表示される俯瞰画像

地域の課題解決と学生たちの学び

team.csvの学生の多くは、プログラミングやデータサイエンスに関心があり、将来的はIT企業のエンジニアとして働くことを希望しています。

電子回覧板を地域のインフラとして導入するという構想はIT企業さながらのプロジェクトですが、今回の経験は学生たちにとってエンジニアが直面する課題を先取りして体験できる良い機会となったようです。

また、学生たちが直面する課題は、技術的なことだけではなく、相手が人間だということも重要で、プロジェクトに参加した学生は「地域に住む人の利便性を考え、気持ちよく使ってもらうための仕組みを考えることや、そのために必要な講座のコンテンツを考えることは、今後の就職活動や社会に出てからの考え方に大きく生かせると思います。希みが丘区の皆さんに感謝しています」と話しました。

講座終了後に学生たちと参加者で記念撮影
講座終了後に学生たちと参加者で記念撮影

複数年度にわたる今回のプロジェクトで一部の学生は卒業していきますが、学生たちが得たノウハウはすべて後輩たちが引き継ぎ、今後も同地区をはじめとしてさまざまな地域で活動を展開していく予定です。