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教職課程でICTを活用した効果的な授業方法を学ぶ
📝学び

教職課程でICTを活用した効果的な授業方法を学ぶ

本学では2023年4月より、教職課程において「教育とICT活用」を開講しました(担当:商学部木下和也教授)。現在、小中学校では「GIGAスクール構想」*で児童生徒に1人1台の端末配布が進んでおり、教員のICTを活用した指導力の向上が急務となっています。そのため文部科学省は2022年4月から大学や短大の教職課程で学生が小中高校の教員免許を取得する際に、ICT(情報通信技術)を活用した教育に関する新たな必須科目の履修を義務付けました。

*GIGAスクール構想…1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子どもを含め、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現するという国の取り組み。

本学の「教育とICT活用」では、学校教育の情報化推進に関する法律や国が目指す教育について学び、また機器を用いた実習を中心に、ICTを活用した効果的な授業の実現方法や校務全般の情報活用に関する知識やスキルを学びます。

担当の木下教授は実際に多くの教育現場を視察しており、その現状を伝えつつ、そこで活用されているアプリケーションとICT端末の活用方法を再現するというスタイルで授業を進めています。例えば教室全体で学生がクイズに答える参加型の授業を展開したり、オリジナルのWebアプリで楽しい演出による出席確認を行なったりするなど、ICTを活用した授業の工夫が身近に感じられるように本講義を構成しています。


学生たちが毎回ぎっしり書き込んで提出する復習レポート
学生たちが毎回ぎっしり書き込んで提出する復習レポート
取材当日は筆記試験が実施された
取材当日は筆記試験が実施された

人間健康学部スポーツ医科学科2年の西山明世さんは「体育の先生になりたいと思い久留米大学に入学した。この講義で毎回提出するレポ―トの課題が多岐にわたっていておもしろかった。講義中に使用したアプリについてマニュアルを作成するレポートでは、初めて使う人に分かりやすく説明するにはどうしたらいいか、考えながら作成した。これは先生になった時にまさに必要なスキルであり、将来の自分に直結する実践的な学びができていると感じる。知識を得るだけではなく活用して教えていけるように、また子どもが主体的になれる授業ができる先生を目指したい」と意気込みました。

グループに分かれて実習
グループに分かれて実習
教え合いながら楽しく実習
教え合いながら楽しく実習
アプリを使って先生役の学生がクイズを出題し、生徒役の学生がオンラインで参加。早押し形式で正解数を競い合い、最後にランキングを発表!
アプリを使って先生役の学生がクイズを出題し、生徒役の学生がオンラインで参加。早押し形式で正解数を競い合い、最後にランキングを発表!

また、本学文学部国際文化学科の卒業生で科目等履修生の徳久美紀さんは「佐賀県立宇宙科学館のJAXAGA SCHOOLでサイエンスコミュニケーターをしている。子どもたちと接する中で、学び直しをしたい、また途中になっていた教職の資格も取得したいと思い通学を決意した。この授業は実践的なので、用語や技法など仕事でも大変役に立っている。アプリを使ってみんなでクイズをしたり、討論したりできることが分かった。来年1月に職場で子どもたちに授業を行うので、ICTを活用して学んだことを活かせるように授業内容を組み立てたい」と話しました。

GIFアニメ

木下教授は「みなさんは、教えるだけではなく学習させることが将来の仕事。授業時間以外にいかに学習させるか、という工夫が一番難しい。自分自身が学び続ける性格、価値観を持たなければ、教員という仕事はできない。知的好奇心と社会への関心を忘れずに」と学生にエールを送りました。