📮KURUME LETTER
未来を創る思考力を養う授業:「現代社会の探究C」ジェンダーと労働を横断的に学ぶ
文学部情報社会学科2年生を対象とした「現代社会の探究C」(江藤智佐子教授担当)では、現代社会における複雑な課題に主体的に向き合い、横断的な視点で総合的に検討する力を養うことを目的としています。特にSDGs(持続可能な開発目標)における「ジェンダー平等」や「働きがいのある経済成長」をテーマに、実社会での具体的な問題や課題を取り上げ、学生が課題発見と解決の基礎を学ぶ授業です。
授業概要
この講義では「日本のジェンダーギャップ指数はなぜ改善されないのか」をテーマに、教育・労働市場の視点から問題を探究。江藤教授がキャリアコンサルタントの実務経験を活かし、現代日本の女性労働の現状を解説しつつ、男女平等の実現に向けた総合的な知見を提供します。
主な授業は以下のようになっています。
・女性労働の現状と男女賃金格差
・女性労働施策の歴史的展開
・家庭のジェンダー
・学校の中のジェンダー
参加型学習:ジェンダーかるたの作成
毎回の授業では、学生たちが講義内容に基づいて具体的な意見や解決策を「かるた」として、解説も加えて制作しました。この「ジェンダーかるた」は、授業内容を自らの視点で掘り下げ、表現する貴重な機会となっています。
作成された「ジェンダーかるた」には次のような作品がありました:
- 「入試でも ガラスの天井 順位変動」
- 「なんだから 女性の自信 つぶす呪い」
- 「めをみはる 子どもの成長 パパも見たい」
後前期まとめの授業では、この「ジェンダーかるた」を使った真剣勝負のかるた大会が行われ、学生たちは白熱し、教室には歓声が響きました。
学生の声
受講した学生からは次のような感想が寄せられました。
- 「男女平等について身の回りから考えるきっかけになりました。自分にも無意識の偏見があることを実感しました。男女間の差別を減らし、性別に関係なく選択できる社会になるといいと思います」
- 「かるたなので、まずは読みやすくする工夫をしました。ランドセルの色や髪形など、当たり前と思っていた性別の区別が、自分の中にも潜んでいたことに気づかされました」
視察者のコメント
久留米市協働推進部男女平等推進センターから視察に訪れた高倉房子様と菅山朗様からもコメントをいただきました。
- 高倉房子様:「皆さんが自分でよく調べていることがわかりました。社会に出る前に、こういったことを学ぶのは重要です。皆さんが仕事や家事、育児を両立できる未来を願っています」
- 菅山朗様:「短い時間の中で素晴らしい内容を作成されていて感心しました。未来を担う皆さんがジェンダーについて考えることは、社会にとっても大きな意味があると思います」
この授業を通じて、学生たちは自分の周りの社会問題を身近に捉え、主体的に考える姿勢を育みました。社会に出てからも活用できる視点を養う、充実した授業となっています。