📮KURUME LETTER

発想力を育てる授業「アイデアマラソン」考案者がゲスト登壇【文学部情報社会学科】
文学部情報社会学科では、学生の創造力を育むための取り組みとして「アイデアマラソン」を授業に導入しています(担当:川路崇博教授)。この「アイデアマラソン」は、1984年に三井物産の商社マンだった樋口健夫氏が開発した独自の発想法で、正式には「アイデアマラソンシステム(Idea-Marathon System: IMS)」と呼ばれています。


実証されたアイデアマラソン”継続の力”
この授業では、学生たちが日々の気づきや発想を継続的に記録し、それをもとに思考力や独創性を高めていくことを目的としています。担当の川路教授は、昨年度の授業を実証実験として1年間実施しました。その成果をまとめた研究論文では、学生全体の創造性が向上し、特に「思考の速さ」と「思考の入念さ」の面で顕著な効果が確認されています。
この研究成果に深い関心を示したアイデアマラソン考案者の樋口氏が、4月29日の授業にゲスト講師として登壇し、アイデアマラソンシステム開発の背景や、国内外での実践例、そして創造力を日々育てるためのヒントを、実体験をもとに情熱的に学生たちへ伝えました。






今回参加した学生からは、「好きなサッカーの戦術について書いてみた。話を聞いて書いていくことは大切だと感じた」「樋口さんが言っていた継続すればもっと高いステージに行けるという言葉を信じてまずは継続できるようにがんばりたい」「4年間の目標は貯金と書きました。具体的な金額も書きました。将来の自分に使えるようにこれから考えていきたいです」「樋口さんの話は経験豊富で刺激的でとても面白かったです。ノートに書くという方法が手軽でいいし、まずはがんばって続けたいです」といった感想が聞かれました。
樋口氏は、「考えたら書き留める。毎日思考、記録する習慣は、どんな仕事に就いても、いくつになっても必要。未来の世界は、ダブルワーク、トリプルワークが常識となるだろう。アイデアマラソンを続けると、人生は面白く、豊かになります。ぜひ皆さん続けてあなただけの能力を高めていってください」と学生たちを励ましました。
米国での学会発表も決定、国際的にも注目される教育実践
この実践的授業をもとにした研究とこれまでのアイデアマラソンシステムの研究から得られた知見は、2025年5月にアメリカで開催される創造性に関する国際学会にて発表される予定です。地方大学の教育実践が国際的にも評価される好例として、今後の広がりが期待されます。