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文学部国際文化学科の大場ゼミがドイツ&オーストリアとのCOIL型授業を開始
昨年度に引き続き、文学部国際文化学科の大場はるか准教授のゼミが、欧州の大学とのオンライン同時双方向型授業(Coil型授業)を開始しました。
前期の授業のテーマは近世の日欧交流史で、大場ゼミの学生(ドイツ語履修者)8名に加え、ドイツのパッサウ大学の学生(歴史学)15名、ドイツのミュンヘン大学の学生(日本学)3名、オーストリアのインスブルック大学の学生(歴史学6名、イギリスと香港からの交換留学生3名)が参加しています。授業では、学生たちは各6〜7名のグループ(4つの大学の学生たちをシャッフル)に分かれ、各大学の教員のサポートを受けながら、16世紀の南蛮貿易や17世紀のオランダ東インド会社に関する画像資料や物品を分析していきます。
5月8日に実施された初回の交流授業では、4月末の演習で事前に学んだ南蛮屏風の描写の中身について、日欧の学生たちが主に英語で意見交換を行いました。南蛮屏風には、日本に持ち込まれた輸入品と見られる動物やスペイン人・ポルトガル人の商人と思われる人物、イエズス会などの修道士と思われる人物などが描かれており、学生たちはこれらの人物の出身地や服装、動物の種類などについて、意見を出し合いました。今回の授業には、以前に久留米大学に留学していたスイスのベルン教育大学のユーディット・フレーリヒ先生(日本史専攻)も臨時で参加し、学生たちのコミュニケーションを支援いただきました。
前期の残りの授業では、学生たちはドイツ語圏に残されている近世日本の美術品や、オランダ東インド会社が欧州に運んだ伊万里焼や有田焼、これらを模倣して製造されたオランダのデルフト焼きや、ドイツのマイセンの磁器などについて勉強を深めていきます。
後期の授業でもドイツとオーストリアの大学との交流は予定されており、後期は学生たちが、1873年にオーストリアの首都ウィーンで開催され、明治政府が日本代表として初参加した万国博覧会の様子や、第一次世界大戦時に久留米に収容されていたドイツ帝国とオーストリア・ハンガリー帝国の俘虜たちについて、学びを深めていく予定です。


