新聞編集で磨く！情報の『編集力』と『伝える力』：西日本新聞社連携授業

本学が連携協定を締結している西日本新聞社と連携した「まわしよみ新聞」の授業が本年度も文学部情報社会学科の3年生必修科目「キャリアデザインⅡ」（江藤智佐子教授担当）で、行われました。

「キャリアデザインⅡ」は、情報社会学科のディプロマ･ポリシーに基づき「情報を収集し、解析し、発信する」学問サイクルを通して対人コミュニケーション能力を身に付けることを目的としたものです。集めた情報を相手に分かりやすく説明するために加工したり、効果的に表現したりするためのコミュニケーションスキルの基本を中心に学んでいきます。

実践！「まわしよみ」から「共感される編集」へ

「まわしよみ新聞」の授業は、西日本新聞社の野口智弘氏と安武秀明氏を講師に迎え、全2回にわたって実施されました。

第1回では、まず新聞の読み方についての講義を受けた後、学生たちは興味を持った記事を選び、グループに分かれて意見交換を行いました。この意見交換では、選んだ記事の内容や理由をメンバーに説明することで、自分の意見を分かりやすく伝えること、そして他者の意見を聞いて相手を理解することを実践しました。その後、各自が選んだ記事をグループごとに集約し、共有ファイルを活用して1枚のデジタル新聞にまとめました。

続く第2回の授業では、作成した新聞について各チームが発表を行い、それに対し講師による講評が行われました。その後学生たちの投票により、その結果発表が行われます。

〇西日本新聞社賞
光る構成、伝わる想い：4班「前楽新聞」

さまざまな記事をピックアップしながら、色枠でカテゴリーに分ける、ユニバーサルフォントを使うなど、読みやすさを工夫した4班の「前楽新聞」が西日本新聞社賞に選ばれました。選定理由として、読みやすいレイアウトと個人の考えがしっかりと見えることが評価されました。
4班はどの記事も担当者の視点でまとめられていました。編集を担当した中西さんは「班の皆が記事についてしっかりと原稿を作ってくれたことが一番よかった。編集面の工夫もプロに評価していただき大変うれしく思います」と感想を述べました。

〇作品賞
自分ごととして捉えよう：7班「ライフ新聞」

授業に参加した学生の投票で決まる作品賞には7班の「ライフ新聞」が選ばれました。発表を担当した森山さんは「昨年を超えるものを作りたいという思いはあった。ニュースを自分ごととして捉えるというコンセプトに沿った構成などに力を入れたことを評価してもらえたのはうれしい。読みづらさなどプロの目線からのアドバイスは自分たちでは気がつかないことだったので、参考になりました」と感想を述べました。

〇プレゼンテーション賞
聴衆の心を掴んだ発表：3班「三分新聞」

3分クッキングのテーマ独唱ではじまり、会場の視線を一気に集めた3班「三分新聞」がプレゼンテーション賞に輝きました。プレゼンを担当した本田さん、熊川さんは「練習自体はあまりしていませんが、出だしが重要だと思っていたので思い切っていきました。プレゼン賞に選んでもらってうれしいです」（本田さん）「彼が考えた演出をやりきりました。まさか選ばれるとは思っていなかったので驚いています」（熊川さん）と感想を述べました。

西日本新聞社のプロからの講評

野口智弘氏

今回新聞を選んでみて、これまで気づかなかったような記事に出会えたのではないでしょうか。編集面においては、もっと面白く遊び心を持って見出しを考えるなどしてもいいと思いました。これからも新聞をはじめ様々なメディアから情報を取り入れ、自分をアップデートしていってください。それは未来の自分への投資となります。

安武秀明氏

まわし読み新聞は、大阪の一般市民から始まりました。この授業の狙いは、ひとつの記事について人と話し、感じ方や価値観にそれぞれ違いがあることに気がつくことです。また、集めたさまざまな情報を編集する力も身につきます。他者とコミュニケーションを取り多様な考えに触れること、何かを伝えるための編集力は、就活や社会に出てからも役立ちます。情報を集めるメディアの一つとしてこれからも新聞をぜひ活用してほしいと思います。