📮KURUME LETTER

【教員コラム】中山由里(人間健康部 総合子ども学科)
🧑‍🏫教職員

【教員コラム】中山由里(人間健康部 総合子ども学科)

総合子ども学科の中山由里です。

私は4歳よりピアノを始め、クラシック音楽に親しんできました。研究対象として関心を持ち始めたのは音楽高校への入学を目指した時だったと記憶しています。高校では、プロの演奏家になるためには、体力、精神力の強化が必須条件である、という教育方針のもと、春はテニス合宿、夏は伴走船に守られながらの遠泳、冬はスキー合宿、と体育学校に来たのかと錯覚するような鍛錬の日々を過ごしました。スポーツ音痴の私に課せられた「体力強化」は、私の高校生活を決して楽しいものにはさせてくれませんでしたが、卒業する頃にはその成果を実感できるようになっていました。この時の経験が、今の私を支えてくれています。

ピアノという楽器は、鍵盤をたたくと様々な部品がその力を伝え、ハンマーが弦をたたいて振動させ音が出るしくみとなっています。打鍵のスピード(これだけではありませんが)の違いによって音色や音量に変化が生じるため、一音一音の打鍵のスピードを瞬時にコントロールしながら、作曲家の意図する表現や、曲想に相応しい音色を奏でる技術が必要とされます。手首、上腕、前腕、胸、腰、背中の筋肉など体をどのように使って指先にエネルギーを伝えるのか、というのが私の研究テーマです。ピアノの授業の中で、学生たちが時おりポ~ンと良い音を出してくれることがあります。ドキッとするとともにとても嬉しい瞬間です。あれ?今どこの筋肉を使ったのかな?脱力がうまくできてるな・・・などといつもの癖で考えてしまいますが、良い音というものは、誰が聴いても素敵ですよね。