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医学部 小原准教授が日本医業経営コンサルタント協会 令和5年度情報 活用コンペティションで「優秀賞」を受賞
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医学部 小原准教授が日本医業経営コンサルタント協会 令和5年度情報 活用コンペティションで「優秀賞」を受賞

医学部医療検査学科の小原仁准教授の作品が、公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会主催「情報活用コンペティション2023」において、優秀賞に選ばれました。この情報活用コンペティションは、医業経営コンサルタント業務に有益な「使える情報・ツール」を集め、普及させることを目的に毎年行われているもので、応募された成果物のなかから優秀な成果物を表彰しています。

自院の地域医療貢献度を可視化するシェアマップ

受賞した作品は「自院の地域医療貢献度を可視化するシェアマップ」で、小原准教授が非常勤顧問として医療データを用いたマネジメントの支援を行っている小郡市の顧問先病院で実践した取り組みから得られたものです。これは、当該施設の診療圏域で発生する様々な医療需要に対して、自院の地域医療への貢献度を定量的に測定し、その結果をビジュアル的に可視化することを目的としています。

この情報分析に用いたデータは、レセプトデータと中学校校区単位での性年齢別人口データです。レセプトデータとは、医療費の請求書情報であり、患者の性別や年齢、住所に加え、診療内容や処方された薬などの詳細が含まれています。このデータを用いることで、病院がどのような医療サービスを提供しているかを明確に把握することができます。また、中学校校区単位で性年齢別人口の数と各医療需要に対する性年齢別発生率を掛け合わせることで、地域ごとの医療需要の総数に占める自施設が提供した医療提供数の割合を推計することができます。

具体的には、中学校校区単位別の時間外救急患者の受け入れや胃がん手術の実施数、胃の内視鏡検査数などを分析・可視化しました。その結果、当該施設の地域医療貢献度は項目や地域によって大きく異なることが分かりました。その後、病院幹部を対象に行った分析報告会では、地域によって大きく異なっていた地域医療貢献度の過不足を解消するための具体的な対策を講じることになりました。

応募作品: 自院の地域医療貢献度を可視化するシェアマップの例
応募作品: 自院の地域医療貢献度を可視化するシェアマップの例
小原准教授コメント

「病院の内外には多くの情報があふれており、こうした医療データを積極的に自施設のマネジメントに活用することで、今回のような地域医療の質向上を目指した取り組みだけでなく、医療現場の様々な課題解決にも利用できることが期待できます。このような医療データを積極的に利活用できる医療専門職はまだ少なく、医療データの利活用に明るい医療専門職の人材育成が私の課題であると考えています」

図2 本成果物を用いた分析報告会で使用したスライドの一部