📮KURUME LETTER
法学部国際政治学科創設30周年記念講座「21世紀の国家と『私たち』の危機」を開催
久留米大学の法学部国際政治学科では、国内外の政治や国際関係を多角的に学ぶことで、国際社会で活躍できる人材の育成を目指しています。その国際政治学科が、今年創設30周年を迎えたことを記念して「21世紀の国家と『私たち』の危機」と題した全8回の市民公開講座を開催しています。
本講座は、当学科の特色である多角的な視点と国際的な視野を活かして国内外の現実に直面するさまざまな課題を取り上げるもので、21世紀を生きる「私たち」が直面している危機を世界(グローバル)と地域(ローカル)の視点から俯瞰し、国家やさまざまな共同体で起きている秩序の変動や精神の動揺を分析し「私たちはどう生きるべきか」について、思想的視座を提供するものです。
本学副学長も務める荒井功教授の「国際政治学の構想と方法」の講座を皮切りに、国際法や外交史、コミュニティとそれを支える道徳理論、被災地復興、天皇制など多彩な専門分野の講師陣による講義が展開されています。3回目となる11月11日の講座では西嶋美智子准教授が講師を務め、「国際法秩序の危機と国家の挑戦-ウクライナ侵攻が突きつけるもの」と題して、ロシアによるウクライナ侵攻がもたらす国際法秩序への深刻な影響について考察しました。
西嶋准教授は、国際秩序が揺れ動く中で、国際法の観点から侵攻をどう捉え、各国がどのような対応を取ろうとしているのかなど、さまざまな視点でこの侵攻が世界につきつけている状況や課題などについて解説しました。講演後の質疑応答でも参加者から多くの質問が寄せられ、紛争を伴う世界情勢やそれを統制する役割を果たす国際法に対する関心の高さがうかがえました。
講座一覧
開講日:10月21日(月)18:30~20:00
演題:国際政治学の構想(vision)と方法(approach)
講師:法学部国際政治学科 教授 荒井 功
開講日:10月28日(月)18:30~20:00
演題:戦後フィンランド外交史からNATO加盟の意味を考える
講師:法学部国際政治学科 准教授 髙木 道子
開講日:11月11日(月) 18:30~20:00
演題:国際法秩序の危機と国家の挑戦 ― ウクライナ侵攻が突きつけるもの
講師:法学部国際政治学科 准教授 西嶋 美智子
開講日:11月18日(月)18:30~20:00
演題:国家に翻弄されるコミュニティの有様 ― 中国の社区で起きたこと
講師:法学部国際政治学科 講師 橋本 誠浩
開講日:11月25日(月) 18:30~20:00
演題:利己心と公共精神 ー 社会に対する危機意識を深掘りする
講師:法学部国際政治学科 教授 前田 俊文
開講日:12月2日(月) 18:30~20:00
演題:被災地復興の現場から共同体を考える
講師:法学部国際政治学科 教授 松田 光司
開講日:12月9日(月) 18:30~20:00
演題:共同体の危機と展望 ― インドネシアから考える
講師:法学部国際政治学科 教授 佐々木 拓雄
開講日:12月16日(月) 18:30~20:00
演題:近代天皇制国家の政治指導 ― 日本型意思決定の源流
講師:法学部国際政治学科 教授 森 茂樹
久留米大学 法学部国際政治学科について
創設以来30年にわたり、グローバルな視点から法学と国際政治の教育を進めてきました。本学科は、国際法、外交、公共政策といった幅広い分野に対応する学びの場を提供し、学生が自らの視野を広げて未来の社会に貢献する力を養うことを目指しています。また、地域連携を重視し、市民公開講座やシンポジウムを通して地域社会とも積極的に関わりながら、地域とグローバルの視点をつなげる教育を行っています。
国内外の課題に対応できる視野と能力を養うことを目指し、学生たちに幅広い視座を提供することにも力を入れており、グローバルな視点とともに地域社会への関心を高め、学びを生かすことができる教育が特徴です。